〝風と共に去りぬ〟観てみたけど結局何が問題なのかがわからなかった
アメリカで白人警察官が黒人男性を捕まえる際に絞殺した事件をきっかけに大規模なデモが始まり、アメリカ社会が混乱しています。
私も実際に例の動画を見てみたのですが、「殺した」という表現が正しいと思うほど警察官は長い間男性の首を圧迫していて恐ろしかったです。
デモはいまだに続いていますが、アメリカには根深い人種問題というものが今現在になっても残っているのだということが最近のニュースなどを見ていてわかりました。
次々と問題が浮き彫りになっているなか、HBO Maxという動画配信サービスで〝風と共に去りぬ〟という映画が人種偏見を含んでいるとのことで配信停止になったという情報が入ってきました。
私は映画が好きでよく観るのですが、アメリカのデモに注目していたので非常にその映画が気になり、急いでAmazonプライムビデオで探してみたところ、こちらは配信停止されていなかったので、さっそく観てみることにしました。
映画が好きとは言っても、邦画の方が観る割合が多く、洋画はたまにしか観ません。
〝風と共に去りぬ〟は有名な作品なので、名前は知っていたのですが、内容がどんなものなのかは全然知りませんでした。
観てみた感想
一言でいい映画でした。
前編と後編に分かれていて、計三時間半くらいなのですが、観ていて全然飽きませんでした。面白くて観てよかったと思いました。
アメリカの南北戦争を背景に、一人の女性の波乱万丈な恋愛と人生が描かれています。
「やっぱり映画ってこれだよな」っていう感じの映画です。
問題の黒人奴隷については映画が始まって割とすぐに出てきて、出演頻度も高い。
奴隷や人種問題については全然詳しくないし、なんとなく暗くて怖いイメージがあったので今まで避けてきました。
この映画の中での奴隷に対しては私はそこまで「奴隷」といった自分が持っているイメージや、暗いものを感じませんでした。
使用人の黒人女性が主人の白人女性に対して普通に命令口調で大きな口を利いていたからです。
ガミガミと小うるさいが愛らしいキャラといった感じです。
実際には、これだけで「そんなに悪くない」と決めるのはもちろん浅はかだということはわかるのですが、奴隷としての悲惨さはこの映画では描かれてはいませんでいした。
黒人男性も出てくるのですが、農耕をしている他、町で歌っていたりと傍から見てる分にはアメリカっぽい風景だなくらいにしか思わなかった。
主人公の女性が襲われているところを黒人奴隷が格好よく助ける場面なんかもありました。
私の場合は奴隷がどうのこうのよりも、映画の中の馬の扱いが酷すぎてそっちの方が問題だった。
戦争中の物語なので、主人公女性が馬車に乗って町から逃げ出す話があるのですが、酷使された馬は途中で口から泡を吹いている。
それでも走るしかない馬ですが、目的地が目の前になった時に主人公女性はきつい言葉を浴びせながら馬を鞭で打ちまくった。
そこで馬は倒れて死んでしまった。
死んだ馬などそっちのけで馬車から降りて走り出す。
かわいそすぎる。
戦争中の話だからなぁと思いながら私はポカーンと口をあけながら見ていました。
ラストに近いところでも、人間の都合によって馬が殺されてしまうんですよね。
と、話が逸れてしまいましたが・・・。
結果、この映画の何が問題で配信停止になったのかがわからないまま映画は終わった。
何が問題なのかが見当もつかなったのは、単純に私が奴隷というものの知識が頭に入っていないからなのだと思います。
【人種差別】というものを、この日本でも軽いものから非常に重いものまで目の当たりにしたことがあるので、【人種差別】がどういうものなのかがわからないといった事ではありません。
この映画で描かれている黒人奴隷の何が問題だったのかがわからなかったのです。
映画を観終わってからどこら辺が問題だったのかを調べてみたところ、
・人種差別をを美化している
・史実とはかなり違う
・奴隷制度の残酷さを無視している
といったようなことが問題なのだということがわかってきました。
なるほど・・・。
上に書いた感想の通り、私が「何が問題なのかがわからない」と思うように描かれてしまっているところがそもそも問題ということなのか・・・ということがわかりました。
今後は、この映画に歴史背景の説明と問題の描写への批判を付け加えた上で、編集などは加えたりせずに、再配信する予定とのことです。
なんか・・・大絶賛され賞をとったりして知名度も高い映画なのに・・・時代が変われば価値観やものの見え方、常識が変わってしまうのだなということを感じますね。
しかし、結果的に私はこの映画を観て良かったと思います。
人種差別の問題は別として、ストーリーも面白かったし、俳優さんもすごく良かった。
終わり。