冒涜?話題になっていたのでAI美空ひばりを観てみました。
ツイッターを見ていると「♯美空ひばり」がトレンドの上位に入っていました。
見てみると、NHKの紅白でAIの美空ひばりが歌を披露したそうで、そのことについて山下達郎が「一言で申し上げると、冒涜です」と発言したとのこと。
ここ数年紅白は観ていたし、放送の度に長々とブログまで書いていたのに2019年に限っては紅白を観ていなかった・・・。
ということで、YouTubeにアップされているAI美空ひばりを見てみることに。
最初はミュージックビデオの方を見たのですが、当時の本人映像が主で、美空ひばりが亡くなってからの30年間に起こった出来事などと共に歌が流れているものでした。
歌は生前のものではなく、全くの新曲で、AIにNHKやレコード会社などに残る音源を深層学習させたものだということです。
これを観て私は純粋に感動しました。
正直なところこれを観たときは批判する人は少し敏感になりすぎなのでは?と思いました。
美空ひばりは私の亡き祖母が大ファンで、よくテレビで歌が流れれば涙を流して聴いていました。
「おばあちゃんが見たらどう思っただろう?」と考えたところでその答えはわかるはずもなく・・・でも憶測だと、きっと同じく涙を流して聴いたのではないだろうかと思います。
しかし、どうやらこのミュージックビデオが紅白で流れていたわけではないとわかり、実際に紅白で流れたものをみてみることに。
NHKスペシャル「AIでよみがえる美空ひばり」 新曲「あれから」
こちらの方は、ステージでAI美空ひばりが実際にそこにいるかのように歌っているというものでした。
こちらの方を見てみた感想は、やっぱりちょっと不自然に感じました。
やはり、AI感が強く、本物の美空ひばりから出てくるオーラや迫力、歌に込める感情など、知っている人からすると特に、批判が起こってもしょうがないのかなと思いました。
まったくの新しい楽曲をAIの美空ひばりに歌ってもらうということで、美空ひばりが生前最後に出した「川の流れのように」の作詞を担当した秋元康が今回プロデュースをしたとのこと。
それにしても、秋元康って何かと批判が起こりやすいような・・・それほど斬新なことをしているということなのか。
何がよくて何がだめなのかを考えると、死者に人権はないのかということに行きつきます。
問題だと思う人は、本人の同意なしに勝手に故人を利用し物事を進めていることに違和感を持っているのだと思います。
これに関しては今後時代が進むにつれてさらに議論が増えていくのかなと思います。法律とかできるのかな。
ただもし美空ひばりの意見を聞けたのだとしたなら、本人は面白がっているんじゃないかな?と私は思ったりしました。
美空ひばりに会いたい人がたくさんいる、美空ひばりの歌をもう一度聴きたい人がいるということを思えば、私は今回のAI美空ひばりが世に出て良かったと思います。
大事なことは「それが誰もがAIだと理解している」ということではなのかな。
ただ、今後も何度も何度も登場して、色んな曲を歌わされているとなれば話は変わってくるかもしれない。
AIの技術が更に発達し、今後も無法状態で誰でもが勝手に美空ひばりを利用し、さらに個人的な意思(金銭目的など)が入ってくるのであれば、それはすごく問題になってくると思います。
今回制作の裏側などの映像もみましたが、制作に関わったのは秋元康や天童よしみなど、生前に深く関わりのある人物も多く、純粋にもう一度会いたいという想いと、世の中に感動を与えたいという気持ちと、リスペクトの気持ちが見えました。
山下達郎はもしかしたら本物の美空ひばりはこんなものじゃないという意味で冒涜という言葉を使ったのかもしれません。
何事も話の前後がわからなければ、本人がどんな気持ちでそれを言ったのかなどわかりません。
話の一部分だけ切り取って誤解が生まれたことなど今までに数えきれないくらい起きているわけで、そのままを鵜呑みにして解釈するのではなく、自分の頭で考えることが大事だとあらためて思いました。